家のベランダから瀬戸電高架下の桜並木が見える。窓を開けていると家の中まで花びらが入ってきて凄くいい。高架下は犬の散歩コースでこの家に住んでから桜は生活の一部になっている。
葉桜になってる。桜は花だけが先に咲くからあの柔らかいピンクが、柔らかいけど豪快にピンクのそれだけでこれでもかと満たし、そしてもうちょっと見たかったところで今度はサクッと景色に溶け込むように緑色に変身する。まるで良いライブのようにお腹いっぱいにさせないみたいに。ライブも桜もうちょっと見たかったというお腹いっぱいにさせてくれないのがいい。
これからますますすっかり景色に溶け込み、青々と葉を茂らせて夏の暑さを少ししのげる優しい日陰を作ってくれる。夏の日に桜を見上げると葉の隙間からキラキラする光が薄く、だけどまっすぐに手まで届いてとてもきれい。そして秋には同じ色がひとつもない見事な暖色のグラデーションの紅葉になってカラカラになった落ち葉を踏んで遊ばせてくれる。枯れ葉で遊ばせてくれた後は細い枝の先までくっきりとシルエットを浮き上がらせて月とコラボをしたりする。
一年中目が離せない。
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